正しい情報の収集方法『池上彰×津田大介 テレビ・新聞・ネットを読む技術』
ニュース解説でおなじみ・池上彰氏と、ウェブメディア界の寵児・津田大介氏が、テレビ・新聞・ネットを中心とする情報メディアを徹底解説。世にあふれる情報をどう読み取ればいいのかがわかる、必読の一冊! Amazonより
今回は池上彰と津田大介の本、『池上彰×津田大介 テレビ・新聞・ネットを読む技術』から、正しい情報の収集方法について3ポイントで紹介します。
①あの池上さんも試行錯誤している
そもそも、私も偉そうにこんな話をしていますが、自分にしたところで十分なメディア・リテラシーを持って、情報とうまく付き合っているとは思えない。いつも試行錯誤の途中ですし、もっと言えば、失敗ばかりです。
あの池上彰さんも試行錯誤しているんだから、ぼくたちがすぐにこれは正しい意見だ!っと分かるわけないということですね。
②不愉快な意見に接してみる。
自分が賛成するような意見だけではなくて、自分が読んでいて不愉快な意見とか、自分の考え方とは違う意見にも接してみる。そこで初めて、自分なりの考え方ができてくる。
例えば、福島の原発事故を受けて、「放射能はとても危険だ」と思っている人がネットで放射能について調べたとします。そうすると、いくらでも「放射能は危険です」という話が出てくる。そこでつい「ほら、やはり放射能はとても危険なんだ。自分の感覚が正しかった」と思って満足し、それ以上調べるのをやめてしまうものです。ただ、そこであえて、「いや、放射能の危険性はたいしたことないよ。騒ぎすぎだよ」と考えている人の意見も調べてみる。すると、これまた山のように情報が集まります。この両方の情報に接することが大事な体験なんです。
これが正しいと思ったら、その正しいという自分の意見を疑ってみる。まぁ客観的にみるということですね。けっこうぼくも自分の意見は正しい!っと思ってしまうことがあるので、こういう視点を持つようにしようと。
③「これが正しい情報だ」なんてない!
「これが正しい情報だ」なんて、最初からすぐに分かる人なんていないんです。「正しい情報」と「間違った情報」を瞬時に切り分ける能力ではなくて、「実は分かっていないんじゃないか」という恐れを持つこと。それが、メディア・リテラシーなんだと思います。
古代ギリシア哲学者のソクラテスが言っていた「無知の知」が大切なんだな。
まとめ・感想・書評
つまり正しい情報の収集方法は、反対意見に目を向けるということですね。
例えば、「北朝鮮は危険な国だ!」と思うなら、「いや、待てよ。本当に北朝鮮は危険な国なのだろうか?」と一歩立ち止まって、そっちの視点から調べてみたりすることが大切ということです。
【第1章】テレビ報道、どうあるべき?
【第2章】新聞をネット社会で活かす方法
【第3章】ネットの情報、どう付き合えばいい?
【第4章】「伝える」ことで、情報をインプットする
【第5章】池上流・情報ストック術