天才の練習方法!『超一流になるのは才能か努力か?』アンダース・エリクソン
チェス、バイオリン、テニス、数学…。世界のトッププレーヤーを研究して分かった、ある共通の要素とは?ドイツのマックス・プランク研究所にいた著者は、研究所の目と鼻の先にあるベルリン芸術大学を訪れた。そこには、他の学生を圧倒する能力を持ち、世界的ソリストへの道を約束されたバイオリニストと、将来は教員になる道を選んだバイオリニストがいた。彼らの能力、ひいては人生を分けたものは一体何か。生まれつきの才能か、それとも積み重ねた努力か―。「超一流」の全てを解き明かすことになる、三〇年以上におよぶ研究が始まった。
「BOOK」データベースより
才能ある人って生まれつき素質があるから成功していると思いがちだけど、「それって違うんじゃね?」ってのが本書です。
そんなアンダース・エリクソンさんの本『超一流になるのは才能か努力か?』を紹介します。
目的のない練習では成長しない
音楽教師と若い教え子の会話
教師「君の練習記録を見ると毎日1時間練習していると書いてあるが、実技テストではCしか取れていないよ。どういうことか説明してもらえるかい?」
生徒「どういうことか、僕にも分かりません!」
教師「何回練習したのかな?」
生徒「10回か20回です。」
教師「正確に弾けたことは何回あったかな?」
生徒「そうですね、わかりません。1~2回でしょうか。」
教師「そうか。どうやって練習したんだい」
生徒「えーと、弾いただけです。」
このように、練習して伸びるのは初心者までだな。
ある程度のレベルまで行くと、これではなかなか上達しない。
なぜなら、弱点がどこかを知り、それを意識して練習しないで、練習しても改善はなかなかされない。
また長所を伸ばすにしても、いつもより良くするには、ここを意識して練習しないと上達はなかなかしない。
だから、練習では目的意識をもった練習が大事です。
そこで、本書は目的のある練習のするための4つのポイントを紹介していました。
目的のある練習をするための4ステップ
①はっきりと定義された具体的目標が大事。
上の例に、次のような練習目標が与えられたら、彼ははるかに上達していただろう。「課題曲を適切な速さでミスなく最後まで三回連続して弾けること」。そのような目標がないと、その日の練習がうまくいったかどうか判断することもできない
②集中して行う。
やるべき作業に全神経を集中しなければ、たいした進歩は望めない
③フィールドバックが不可欠
一般的に、何に挑戦するかにかかわらず、自分のどの部分がどう未熟なのかを正確に特定するためにはフィールドバックが欠かせない。自分自身から、あるいは外部のオブサーバーからのフィールドバックがないと、どの部分の改善する必要があるのか、目標達成にどの程度近づいているのかが分からない
④居心地の良い領域(コンフォート・ゾーン)から飛び出すことが必要
自らのコンフォート・ゾーンから飛び出すというのは、それまでできなかったことに挑戦するという意味だ。新しい挑戦で比較的簡単に結果が出ることもあり、その場合は努力を続けるだろう。しかしまったく歯が立たない、いつかできるようになるとも思えないこともあるだろう。そうした壁を乗り越える方法を見つけることが重要
まとめ・感想・書評
序章 絶対音感は生まれつきのものか?
第1章 コンフォート・ゾーンから飛び出す「限界的練習」
第2章 脳の適応性を引き出す
第3章 心的イメージを磨きあげる
第4章 能力の差はどうやって生まれるのか?
第5章 なぜ経験は役に立たないのか?
第6章 苦しい練習を続けるテクニック
第7章 超一流になる子供の条件
第8章 「生まれながらの天才」はいるのか?
終章 人生の可能性を切り拓く